ドイツに来たならやっぱりビールとソーセージ。ということで、ミュンヘンで入ったレストラン3店です。
Hofbrauhaus ホフブロイハウス
「いつかドイツへ行く機会があったら、ホフブロイハウスでビールを飲みながらソーセージを食べてみたいねぇ。」
以前からこんな会話をしていました。そして、その夢が実現。
ついに来ました。ホフブロイハウスです。
ホフブロイハウスはドイツの国立醸造会社が直営するビアホールです。
ミュンヘン市庁舎のあるマリエン広場から徒歩5分ほど。今回私たちの宿泊先、プラッツルホテルはホフブロイハウスの隣でした。
夕食には少し早めの時間にお邪魔しました。
難易度高いレストランの入り方
ドイツではレストランに入る時、日本とは違うことがいろいろあると友人等から事前に情報を得ていました。
その内容はこんな感じです。
- 店内に入ったら自分で席をみつけて着席する
お店の人は基本、席を案内してはくれない。何名様ですか?なんて聞いてくることはないと思った方がよい。
- 相席は当然のこと
テーブルでは相席がごく自然に行われている。席に着くと相席になった人と会話が始まる。
- オーダーは自分から
注文が決まったらスタッフを呼ぶ。日本のように頃合いを見計らって聞きに来てくれることはない。場合によっては自ら席を立ってスタッフの所へ行き、オーダーに来てもらうようお願いする。
そして、日本のようにおもてなし精神で笑顔の対応は期待しない方がよい。とも
グイグイいけるタイプじゃないと生きていかれない感じ、ですね。
- 自分で席を探して着席し
- 注文する際は店員さんを呼んで
- 場合によっては他の人と同じテーブルで食事
郷に入っては郷に従え、です。さて、どうなることやら。
とにかくとても広いこの混雑したビアホールで、どこへ行ったらよいのでしょう・・・
しばらく賑やかなホールを眺めていました。
「行くよ」の一言で、覚悟を決めて進みます。なんか戦いに挑みに行く感じです。
お店の中をどんどん進んでいきますが、テーブルはどこもいっぱい。2人が座れそうな場所がなかなか見つかりません。さすがホフブロイハウスです。
外はかなり冷えていますが、屋外の座席も結構いっぱいです。
寒いなか食事をするのは避けたかったので、店内をもっと奥へ進みます。建物は体育館のような広さです。ワンフロアで1,000席以上、建物全体では3000人の収容人数があるそうです。世界最大のビアホールだとか。それなのに、空席がなかなかみつからないなんてすごいですね。
店内の突き当りの所まで来て、ようやく誰もいない席を発見。6人~8人掛けのテーブルでした。2人で座ってしまっては申し訳ないかな、と思いつつ、後からどなたか来て相席になるぶんにはいいよね、ということで大きなテーブルに2人で着席しました。第一関門クリアです。
テーブルにはメニューが置かれていました。メニューはドイツ語。(言えば英語もあったのかもしれません)
わかりそうな単語とイラスト、そしてグーグル先生を頼りにオーダーを考えます。
※グーグル先生:スマホ(google)の翻訳機能のことです。
ホフブロイハウスでは白ソーセージは時間に関係なく提供されているようでしたが、この時は残念ながら品切れ。
デザートもありました。食事をしてお腹に余裕があったらいただいてみようかな。
係の人は、忙しそうに働いています。正直声をかけづらい。。。
でも、あちらからは来てくれないので、呼ぶしかありません。手が空いた頃を見計らって声をかけました。正直愛想はあまりありませんが、きちんと対応はして下さいます。
飲み物を注文し、料理のオススメはどれですか?と聞くと、「ぜーんぶだよ」と。聞き方間違えたようです。汗
どれを注文したらよいかわからないから聞いたのに、全部と言われてしまうとどうしてよいやら…
飲み物がくるまでに料理を考えることにしました。
「こういう時はまずは『オリジナル』と書いてあるのを注文すればいいよ」ということで、オリジナルソーセージの盛り合わせとシュバイネハクセを注文することにしました。
ビールが運ばれてきました。
ホフブロイ オリジナルビール
大きい…です。1リットルサイズ。周りを見渡すと多くの人がこの大きなジョッキで飲まれていました。温まってしまうから小さいサイズで何度もおかわりをする、という感覚はないようです。この大きなジョッキを時間をかけて楽しんでいるよう。ビールが温まってしまうような気温ではないということもあるのでしょうか。
オリジナルホフブロイハウスソーセージの盛り合わせ
シュバイネハクセ schweinshaxe
豚の太ももをローストしたドイツの郷土料理です。ミュンヘンのあるバイエルン地方で主に食べられているそうです。
大きさにびっくり、骨付きとは言え なんとまぁダイナミックなお料理。付け合わせのポテトはジャガイモを蒸かしたものではなく、『クネーデル』というダンプリング(じゃがいもをつぶして小麦粉と合わせ、茹でたもの)でした。ニョッキのようなもの、というとわかりやすいかもしれませんね。
ボリュームたっぷりでしたので、この2品でお腹いっぱいになってしまいました。
時差で眠くなってきたのでそろそろ帰ろうか、という時に
「ここ、あいてるか~?俺達4人なんだけど」と上機嫌の紳士が。すでに出来上がっている模様。笑
「ちょうど帰るところですよ」と答えると
「ちょ、ちょっと待ってろ! 他の奴ら呼んでくるから! 俺たちが来るまでそのままここに座ってろよ!」と
どうやら私達は席の確保係になったようです。笑
しばらくすると、もっと上機嫌のお連れ様達がやってきました。そのうちのひとりは足取りが覚束ず、他の仲間に支えられて…潰れてます。笑
どうやら外のテーブルで飲んでいたのが寒くて中へ移動してきたようです。
何をした訳でもないのにとーっても感謝され、その方達と座席を交代してお店を後にしました。
お店を出る際に、「常連さん席」ではドイツの民族衣装を着た常連さん達が楽しそうにテーブルを囲んでいました。常連さんの専用エリアがあるなんてステキですね。
Andechser am Dom アンデクサー・アム・ドーム
店先のテントとテラス席の椅子の赤い色が可愛らしいお店です。
マリエン広場から2~3分。フラウエン教会(聖母教会)の目の前です。
白ソーセージを食べるために行ったお店です。
洗練された感じのお店です。
ドアノブが天使
白ソーセージはお昼までのものと聞いていたので、11時過ぎに行きました。
お店に入ると店員さんが対応して下さり、席を案内してもらうことができました。
こちらのお店はミュンヘン郊外にあるアンデックス修道院で作られたビールが飲めるレストランです。
店内には宗教画や天使の置物、神父さんの写真などがありました。表情豊かな天使の置物が意外な場所にあったりするので、見つけ出しては観察してしまいました。
上品な感じのお店です。お店に来ていた人は年齢高めの品のある紳士やご婦人がほとんどでした。
スタッフの目が行き届いているようで、オーダーもすんなりと。
メニューは英語表記のものがありました。
旬のアスパラガスメニュー
マリエン広場の屋台で売っていた旬のアスパラガス。お店のおすすめメニューにありましたので、いただいてみることにしました。
プレッツェル
お店によって少しずつ味が違うので、食べ比べるのも楽しいです。
白ビール
ヴァイスヴルスト Weiβwurst (白ソーセージ)
ヴァイスヴルスト(白ソーセージ)はお昼までに提供されるバイエルン州の伝統的なソーセージだそうです。
子牛肉と豚のベーコンを挽いたものに、タマネギ、しょうが、パセリ、ナツメグ等で風味付けをし、長さ10センチ太さ2センチほどのソーセージに形作られたものです。
鍋でお湯に温められた状態でテーブルまで運ばれてきて、目の前でお皿に載せてもらい、いただきます。
日持ちのしないソーセージのため、教会の正午の鐘が鳴るまでの時間にしか提供されないようになっているそうです。(ホフブロイハウスのように夕方でも提供されるお店もあります)
「これがソーセージ?」今まで味わったことのないソーセージに驚きと感動。ふわっと口の中で溶けていくような感触です。はんぺんと似ているような。マスタードをつけていただきます。マスタードは2種類あり、このソーセージにはバイエルン地方の甘いマスタードをつけて食べることをスタッフに勧められました。
1本食べ終え、夫はもう少し食べたいと追加で注文しようとしたところ、残念ながら完売となっていました。
ちなみにこのソーセージ、皮の部分は食べないそうです。知らなかったのでしっかりいただいてしまいました。汗
シュパーゲル Spargel (ホワイトアスパラガス)
『Spargelシュパーゲル』は白いアスパラガスです。4月中旬から収穫され6月24日の聖ヨハネの日に収穫を終えるのが伝統だそうです。ちょうど夏至の頃ですね。
ボイルしてバターと塩で味付けされたホワイトアスパラガス、シャキッとした食感で、香りもよくとても美味しかったです。
こちらの付け合わせのポテトはジャガイモを茹でたものでした。
『天使が飲酒中』発見
お店の人の対応もよく比較的入りやすいお店だと思います。地元の人が多く、静かにゆったりと食事をするお店、という感じがしました。
Nurnberger Bratwurst Glockl am Dom ニュルンベルガー・ブラート・ブルスト・グレックル・アム・ドーム
3店目は香ばしい焼いたソーセージのお店
マリエン広場から2~3分。フラウエン教会(聖母教会)の目の前です。アンデクサー・アム・ドームの並びにあります。
このお店も先ほどのアンデクサー・アム・ドームも店名に『am dom』の名前がついていたので、どういう意味?と思ったら、am=at dom=大聖堂 で、「大聖堂の所にある」ということのようです。
屋外にもテーブルがありますが、冷えるので店内に入りました。地元の人も集まる居酒屋さん、といった雰囲気です。
お店に入って2人です、って伝えると、テーブルを差して「そちらどうぞ」という感じで言われました。
ビールとアップルサイダー
お店がそれほど大きくないので、店員さんもすぐ近くにいるため注文はしやすかったです。
テーブルクロスとカーテンがお揃いでした。
メニューの写真を撮るのを忘れてしまいました。
お店名物のちょっと焦げ目のついた香ばしいソーセージです。
ミュンヘンの北部にあるニュンベルグという都市の名物のものだそうです。
比較的細いソーセージです。どのくらい?指の太さくらいかな。
ザワークラウトは酸味がマイルドでいくらでも食べられてしまう感じです。
鴨のロースト
付け合せは大きなクネーデル。しっかりとした味のソースがからんでつい食べ過ぎてしまいました。
ビール2杯目は、お隣に座っていた常連さんらしき男性が飲んでいたビールを注文してみました。
「あの方と同じビールを」と注文し、ビールが運ばれてくると、それを見たその男性は静かにグラスをあげて「乾杯」と。
この男性、ソーセージが運ばれてきた時にも、テーブルの上にあったマスタードの容器をソーッと差し出して「これをつけるんだよ~」という感じで渡して下さいました。
穏やかな笑顔で旅行者である私達を受け入れてくださる。嬉しいですね。
ビールの隣にある小さな透明のグラスは、『シュナップス schnaps』というお酒(蒸留酒)です。
これまた同じテーブルで飲んでいた青年2人組のマネをして注文したものなのですが…
青年がビールを飲みながらこの小さなグラスをクイッと飲んでいるのを見て、何を飲んでいるのだろう?ということになり、お店の人に聞くと
『シュナップス』と言われたので注文してみました。そしてシュナップスが届くと青年達は「真似したな!」という感じで笑っていました。
ビールばかりだとお腹が冷えてしまうので、このシュナップスを飲んでお腹を温めるんだそうです。お酒を飲まない私からすると、お腹を温めながらそこまでしてビールを飲む意味がわかりません。笑
試していた夫は「確かに温まる」と。
寒い地方ならではの飲み方なのでしょうか。
このお店では初めて相席を体験しました。会話が弾むとは行きませんでしたが、同じテーブルの人達とほんの少しですが触れ合うことができました。
どこが一番?
一口にソーセージと言ってもいろいろなタイプがあり、今回入ったお店3店のソーセージは皆違ったタイプのものでした。比べるのはちょっと難しいです。それぞれよかったというのが正直な感想です。次に行ったら、3店ともリピートすると思います。
ビールの味についてはわからないので夫に聞いてみたところ、「どのお店もあっさりとして飲みやすかった」と。
その時々の気分に応じてお店を決めたいな、そんな感じです。
ホフブロイハウス
賑やかなビアホールとドイツのレストランの洗礼を楽しんでみたいならホフブロイハウス。
1リットルビールは今回おかわりはしませんでしたが、まだ飲めそうだった、と。(時差で眠さに負けておかわりせずに帰ってきました)
アンデクサー・アム・ドーム
ちょっと大人な雰囲気で静かに白ソーセージを味わいたいならアンデクサー・アム・ドーム
アンデックス修道院で作られた白ビールは軽くて爽快。白ソーセージにピッタリです。
ニュルンベルガー・ブラート・ブルスト・アム・ドーム
こじんまりとした店内で地元の常連さんと触れ合いながら香ばしいソーセージを味わいたいならニュルンベルガー・ブラート・ブルスト・アム・ドーム
ビールは少し苦みがあるビールで焼いたソーセージとよく合います。
そしてこのお店で知った『シュナップス』にもびっくり。(個人的にはお酒でお腹を温めでまでして飲もうとすることにビックリでしたが。)
こんな感じかな、と思います。
旅先でその土地の料理を味わう。新たな出会いや発見があってとてもよい経験ができました。