Mickey Mouse : From Walt to the World
ミッキーマウスが誕生したのは1928年11月18日。90年以上の年月が過ぎました。こんなに長い間世界中の人から愛されているキャラクターは他にいるのでしょうか。
ウォルト・ディズニー・ファミリー・ミュージアムがオープンして10年を迎えた今、90年に渡るミッキーマウスの芸術とエンターテイメントの記録を特別展として開催中です。
特別展は博物館とは別棟のダイアン・ディズニー・ミラー 展示ホールで行われています。
開催期間
2019年5月16日~2020年1月6日
場所
ダイアン・ディズニー・ミラー 展示ホール
ウォルト・ディズニー・ファミリー・ミュージアムの本館の裏手にあります。
本館から特別展のホールまでの道には、目印としてミッキーのステッカーが貼ってありました。
ダイアン・ディズニー・ミラー 展示ホールの建物です。
こちらの展示ホールへの入場は、時間が指定されています。購入したチケットに入場時間が記載されていました。
ミュージアム本館からは歩いて1~2分です。
ダイアン・ディズニー・ミラーはウォルト・ディズニーのお嬢さんです。
彼女はこの博物館建設に尽力し、初代館長でもあった人です。
ここから展示ホールの中へ入っていきます。展示ホールは大きな荷物の持ち込みは禁止です。デイパック等の大きな荷物はこちらのエントランスで預けます。カメラバッグ、デイパックを預け中へ入りました。
1階展示フロア
初期の作品に息を呑む
展示ホールを入るとそこはミッキーが登場して間もない頃の原画がずらりと並んでいました。
1930年代前半のものが多かったです。
よーく見ると、消しゴムで消したような跡もあり、それがとてもリアルで、すぐそこにウォルト・ディズニーがいるかのように思えてしまいます。
さらっと描いたようなものや、細部までとても丁寧に描かれているもの、どれも興味深くひとつひとつゆっくりと見て回りました。
右側手前はセル画の始まりでしょうか。これは白黒なので初期の作品ですね。
Minnie’s Yoo Hoo!
こちらはポスターですが、実際はアニメの短編です。このアニメを見るとしばらくの間、音楽が頭から離れなくなります。
白黒からカラーの時代へ
比較的早い時期にカラーの作品も作られていたようです。
ディズニーが初めてフルカラーで製作したのは1932年の『Flowers and Trees(花と木)』という短編アニメーションだそうです。この作品は、とても楽しいクオリティの高いアニメです。
その後長編のアニメーションができたのが5年後の1937年。『Snow White and the Seven Dwarfs (白雪姫と7人のこびと)』です。
背景・人・煙・炎、と何枚も重なったセル画にそれぞれ彩色がしてあります。どれだけの人の手がかかっているのでしょう。
こちらは1935年に公開された『The Band Concert(ミッキーの大演奏会)』の冒頭の部分のセル画です。
このミッキーの衣装に見覚えがある方もいらっしゃるでしょう。短編ですが、こちらも楽しいアニメです。
この場で色々見たことで、帰ってきてからディズニーのアニメーションを見る機会が増えました。
いま見ても楽しめるものばかりです。初期の作品はセリフがないものが多いので小さなお子さんでも楽しめるように思います。
短編のアニメーションを見られるコーナーです。ここを通りかかる人は、流れているアニメについ立ち止まり、アニメが終わるまで映像に見入っていました。私達もそんななかの一組でした。
こちらの上は吹き抜けになっています。ミッキーが楽しそうにどこかへ行こうとしていますね。
撮影現場の写真や、ウォルトが子供達と楽しそうに歌っている写真もありました。
魔法使いの弟子
クラシック音楽とアニメが融合した『Fantasia(ファンタジア)』
史上初のステレオ音声作品だそうです。
魔法使いの弟子となったミッキーの原画やセル画がたくさん展示されていました。
ファンタジアは1940年の作品ですが、2000年に続編として『Fantasia2000』が公開されています。
続編はまだ見ておりませんので、いずれ見てみたいと思っています。
ミッキーを描いてみよう
お絵描きコーナーがありました。
ミッキーは基本、円を使って描くことができるそうです。絵心がない私にとってはちょっと難しいですが。
絵の上手な方は、この場でサラサラッと描いてしまうのですよね。羨ましいです。
こちらの用紙をいただいて描くことができます。
用紙の裏面には博物館の展示についてのクイズが。
クイズを解きながら回るのも楽しいですね。
ミッキー アンティークコレクション
アンティークのおもちゃなどが展示されていました。ブリキのおもちゃやマリオネットも。現在のミッキーとは表情が違い、時代を感じました。
コミックのミッキー
ミッキーのマンガは新聞に掲載されていたことがあるそうです。
ミッキーの声
これまでのミッキーの声を担当した声優
ウォルト・ディズニーもミッキーの声を担当していたそうですよ。
まだまだ続きます。
階段を上って2階の展示フロアへ
2階展示フロア
2階には様々なアーティストが描いたミッキーの作品や、ディズニーランド(ミッキー)の歴史を写真で紹介するコーナーがありました。
アーティストが描いたミッキー
Eric Robison (エリック・ロビソン)
1959年生まれのアメリカのアーティストです。
こちらの絵画は最近雑誌か何かで見たことがあるのですが、何だったのか思い出せません。(悲)
ミッキーのいろんな表情がいいですね。
Andy Warhol (アンディ・ウォーホル)
アンディ・ウォーホルの描いたミッキー
アンディ・ウォーホル(1928-1987)はアメリカのアーティストです。
世界的に有名なアーティストですので、アンディ・ウォーホルの作品をご存知の方も多いと思います。
こちらのスープ
この場でアンディ・ウォーホルの描いた作品が見られるなんて感動です。
Tennessee Loveless (テネシー・ラブレス)
こちらはアメリカの現代アーティスト、テネシー・ラブレスが描いたものです。
テネシー・ラブレスは色覚異常があるそうです。色を考慮する代わりに色理論、単語の関連付け、色彩心理学などを基にして作品を描いているそうです。
作品をよく見ると、色々な文字が書き込まれています。カタカナで「ディズニーランド」と書いてあるのを見つけました。絵を眺めるだけでなく、宝探しのようにじっくりと見つめることのできる興味深い絵画です。
Damien Hirst (ダミアン・ハースト)
円のみで描いたミッキー
丸だけでミッキーとわかるのがとても楽しい絵画です。
ダミアン・ハーストというイギリスの現代アーティストの作品です。
Sirron Norris (サーロン・ノリス)
隠れミッキーがいる遊び心のある絵画
サーロン・ノリスというサンフランシスコの現代アーティストの描いたものです。
ゴールデンゲートブリッジやオスカー像、博物館のあるプレシディオ、と地元サンフランシスコを描いた作品に生き生きとしたミッキーが描かれています。
ちょっと暗いのでわかりづらいですが、この絵の中には隠れミッキーが12個あります。
それぞれのアーティストの絵画が興味深いものばかりで、ひとつひとつじっくり見ているとあっという間に時間が過ぎていきます。館内はビジターもそれほど多くなく、ゆっくりと丁寧にまわることができます。
MICKEY AT THE DISNEY PARKS
ディズニーパークで見るミッキーの歴史のコーナーです。
カリフォルニアにディズニーランドがオープンしたのは1955年です。
パークに登場するミッキーマウスが、60年以上の年月をかけてどのように変わっていったのかを写真で見ることができます。
下段は現在のミッキーの感じと似ていますね。
ひとつひとつ見ていくと、いろいろ言いたくなることが出てくるのは私だけでしょうか・・・
顔は現在と近いですが、カラダが人間そのまま・・・
思わずにやりとしてしまいます。
こちらはカラダもキャラクターになりましたが、バランスが気になります・・・
こちらは初期の頃でしょうか。写真の年代を確認するのを忘れていました。
今思うといつ頃のものかをはっきりと確認しておけばよかったと思います。
それにしても、顔が・・・笑
笑ったら失礼ですね。
現在のかわいいミッキーの姿でも泣いてしまうお子さんがいますが、この時代のミッキー&ミニーは、子供にとって、もはやホラー?
心なしかこの男の子の表情も固まっているように見えてしまいます。ミッキーと目を合わせないようにしているようにも見えて・・・気のせいでしょうか
初期はミッキーの被り物をした人間、という感じでしたが、時代と共に皆に愛されるキャラクター「ミッキーマウス」そのものに、というように変わっていったのですね。
開園60周年のフラッグ
切ない思いになった画
ディズニーはいつも夢や希望を与えてくれるもの、いつも笑顔になれるもの、これまでそのように思っていました。
ところが、今回初めてそうではない気持ちになったイラストがありました。
それは、ウォルト・ディズニーがこの世を去った時に、新聞などで発表された ウォルトの死を悼むキャラクターのイラストです。
ミッキーのあまりにも悲しそうな表情が衝撃過ぎて言葉を失いました。
いつもかわいいキャラクターがこんなにも悲しそうな表情をするなんて胸が締め付けられます。
ウォルトロスについての作品は、常設展でも展示されています。これまで感じたことのない思いをすることで、ウォルトから何か宿題をもらったような気持ちになりました。
特別展は以上で終わりです。
展示ブースを出たところに大きなボードが。ミッキー型のメモ用紙に皆それぞれメッセージを書いて貼っていました。
『ミッキーマウス:ウォルトから世界へ』
特別展は大変内容の充実したものでした。普段お目にかかることのできない貴重なものをたくさん見ることができ、少し興奮状態で博物館を後にしました。行くことができて本当によかったと思います。